初めまして。
今回が初投稿となる、立命館大学写真部1回のNek0mataと申します。

昨今の大雪事情にも長野の雪国出身である私は特に何を思う事は有りません。
降雪など特別珍しくも無いものであります。
しかしながら、私達の通う衣笠キャンパスの近くにある金閣寺ですが
この度の低気圧で雪化粧が施され美しい光景が広がっていた様で、
私は授業があったため見に行けなかった事が悔やまれます。

この件については私の同僚が先に記事を書いていましたので、詳しくはそちらの記事に目を通して頂ければ幸いです。


さて本題に入りますが、今回私が書く主な内容はフィルムカメラによる撮影とその手焼き現像の面白さについてです。

現在、立命館大学写真部ではフィルムカメラ(以下フィルム)を主として活動する人間とデジタルカメラ(デジタル)を主として活動する人間の比率は五分五分、もしくはデジタルの方が若干多いかもしれません。
キャンパス別に見ると、衣笠キャンパス側では比較的は多い一方でびわこ・くさつキャンパス側では私を含め数人しかいないのが現状です。

ここではフィルムとデジタルについて深く言及するつもりはありませんが、最近のデジタルカメラはどれも素晴らしい性能をお持ちの物ばかりで、一般の人間が「写真を撮る」ということにカメラを使うのであればデジタルカメラを一つ所持しているだけで十分でしょう。むしろスマホのカメラでも十分、そんな気もします。
「何時でも気軽に取れて、綺麗な画像が素早く簡単に見る事が出来る」この様なデジタルカメラは新規参入の敷居が低く、これからもデジタルの人口はどんどん増えていく事と思います。


では、フィルムカメラを始める利点は何でしょうか。
正直、ただ写真を撮りたいだけであるならばフィルムがデジタルに勝る点は無いと思います。
今年に入り人気モノクロフィルムの廃版・価格高騰、撮影枚数が限られている、撮り終わったフィルムに現像という手間を加えなければならない。
この様に、欠点を挙げれば切りがありません。

それでも私を含め、多くの人々がフィルムカメラで写真を撮る事には何か理由があるはずです。
ここからは個人解釈となりますが、フィルムカメラを使う最大の理由は【写真を作る過程】にあると思います。

フィルムカメラで一枚の写真をプリントするまでには少なくとも【撮影】【フィルム現像】【印画紙への現像】と三段階のステップが存在します。これらの段階を幣部では各自、自分の手で行っております。(例外はありますが)

まず【撮影】についてです。
先で述べたように、昨今のフィルムは非常に高く且つ撮れる枚数にも制限があります。しかしこの欠点を逆手に取ると、少ない枚数の中で失敗せずいい写真を撮る為に多くの事を研究し、被写体の前で取る直前にも、どのような構図にするか等を頭で考えてから撮影に臨むようになります。こういう過程を持ってシャッターを切ったフィルムには愛着が湧きます。

次に【フィルム現像】についてです。
デジカメと違い、フィルムカメラではシャッターを切った段階では像が確定していません。どんな画像かという確認も出来ません。ですからこのフィルム現像という段階を通して像を出します
しかし、フィルム現像という行為は時間が掛かり(基本的にフィルム一本に対し約1時間)、また薬品等を扱う為に現像を失敗し、頑張って撮った愛着のあるフィルムが水の泡になる事もあります。しかしこのように人の手を介する事によって、作品を作っているという感覚を味わう事が出来ます。

最後に【印画紙への現像】についてです。
この段階は所謂デジタル画像処理における、トリミング・色調整・プリントの段階だと思って頂ければいいです。
モノクロフィルムの色調整は印画紙に光をあてる時間を変える事によって調整します。すなわち、光を当ててプリントしてみるまでどのような絵が出てくるか分からないのです。この段階になって初めてシャッターを切ったあの時の画像を見る事が出来ます。直ぐに見る事が出来るデジタルカメラとは偉い違いですよね。

しかし、デジタルと違って色調整は簡単な事ではありません。何度も何度も光を当てる時間を変えて、自分の好みに合う色合いを見つけ出す。その色合いは直ぐに見つかるかもしれないし、見つからないかもしれない。こうした駆け引きを出来る事がフィルムの醍醐味だと私は思います。

この様な過程を通して出来た写真は作った人の個性が溢れ出ています。
濃い色、淡い色、柔らかい色使い、刺々しい色使い、それぞれは作った人の個性です。

デジタルと違いフィルムは時間もお金も体力も掛かるかもしれません。
ただ、これらの手間を掛けて作ったものは世界に一つ自分だけの作品になるのです。

最後になりますが、このような作業を行えるのは暗室が整っていなければいけません。
この大学には衣笠キャンパスとびわこ・くさつキャンパスの両キャンパスに暗室を完備しています。
もし、受験勉強中にこのサイトを見てるような人で(勉強しようね)少しでも写真に興味を持ってくれた人がいたら、是非是非来年の新歓期に顔を出してくださいな。